ビジネスの現場でよく耳にする「ホスピタリティ」と「おもてなし」という言葉。この2つの意味の違いをご存知でしょうか?
ほぼ同じ使い方をされる言葉ですが、実はその意味や使い方は大きく異なります。
この記事では、ホスピタリティとおもてなしの違いについて、事例を交えながら解説します。
<この記事の監修者>
株式会社マジカルクリエイトサービス
大手テーマパークで本物のホスピタリティを学び、実践してきた元キャストを講師として数多くのセミナーを開催。人材育成や学校教育の現場で役立つ知識や技術をお伝えして、これまで数多くの企業や教育施設のパフォーマンス向上に貢献してきた実績を持つ。
おもてなしとは裏表無い心で接すること
「おもてなし」とは、表裏を持たず、相手に対して偽りのない心で接することを意味します。
また、表裏の無い心で接するだけではなく、「モノをもって成し遂げる」という言い伝えもあります。
「モノ」とは、相手への思いやりやしぐさ、振る舞いなどを行動にして伝えることです。
相手のことを思いやり、期待を上回るような行動をとることを「おもてなし」といいます。
ホスピタリティとは心地よい体験の提供
ホスピタリティとは、ただ物理的なサービス提供するだけでなく、お客様やゲストに心地よい体験を提供することを重要視した考え方です。
相手の立場になって、その人が何を望んでいるのか、どんなことに困っているのかを感じとります。
そこで、1人ひとりのニーズに合わせたサービスを提供し、特別感を感じてもらうことがホスピタリティです。
また、テーマパークのような期待以上のサービスを提供し、お客様に感動や喜びを与えることもホスピタリティの1つです。
おもてなしとホスピタリティの違いとは?
おもてなしは、日本独自の文化ともいえますが、お互いに対等で見返りを求めず思いやることを意味します。
つまり、お互いに思いやりの心をもって接するということです。
一方で、ホスピタリティは、誰にでも平等にお客様の要望通りに対応し、スタッフもお客様も気持ちよくなることを意味します。
お客様の要望に応えることで、喜んだり感謝の気持ちを伝えてくれたりすると嬉しくサービス提供者側も満足します。
おもてなしは日本独自の文化であり、相手を思いやる心と、それに伴う行動のことを指しています。
一方、ホスピタリティは、顧客が求めているものを察して、期待以上の感動体験を提供することを指しています。
おもてなしとホスピタリティは、相手が喜ぶサービスを提供する点では一致していますが、そこに至る考え方が若干異なることを理解しておきましょう。
しかし、実際のところ、ホスピタリティとおもてなしはほぼ同じ意味の言葉として使われており、その境目を決めるのは難しいとされています。
おもてなしであれ、ホスピタリティであれ、お客様に喜んでいただくことが第一であることは変わりません。
あえて切り分けて使う必要もないでしょう。
おもてなしやホスピタリティの事例
レストランなど飲食店のシーンでの「おもてなしやホスピタリティの事例」をいくつか挙げます。
- 小さいお子様を連れているお客様に、子供用のお皿やエプロンの提供
- お水やお茶のおかわりの声かけ
- お箸を落としたらすぐに新しいものを持ってくる
- いつも笑顔で明るく接客する
このような対応は、仮に行わなかったとしてもサービスに何らかの支障が出るものではありません。
しかし、おもてなしの心を持って、これらの対応をすることで、顧客満足度が大きく向上します。
このように、実施しなくてもサービス提供に支障が出ないが、実践することで顧客満足度が大きく向上することも、おもてなしやホスピタリティの特徴です。
おもてなしやホスピタリティでサービス品質を高めましょう
おもてなしとは、相手のことを思いやり、期待を上回るような行動をとることです。一方、ホスピタリティとは、お客様が求めるものを把握して、期待以上の体験を提供し特別感を感じていただくことを指しています。
おもてなしとホスピタリティは、言葉の成り立ちや考え方に若干の違いがあります。しかし、実際は、ほぼ同じ意味として使われている言葉です。
言葉の意味にとらわれず、お客様に喜んでいただくことを第一に考えて動きましょう。
本当の意味でのホスピタリティは、概念的な部分も多く、座学だけではすぐに身につきません。
ホスピタリティを実践的なスキルとして身につけるためには、実際にホスピタリティを実践している場に行き、自分自身で体験することが大切です。
マジカルクリエイトサービスでは、ホスピタリティを肌で感じる「体験型社員研修サービス」を提供しています。
従業員のおもてなしの心を育みたい、会社のホスピタリティを向上させたいとお考えの場合は、お気軽にご相談ください。