リーダーシップとマネジメントは、似たような意味で使われることがあります。
しかし、この2つのスキルは目的や業務の内容が大きく異なるため注意しましょう。
リーダーシップとマネジメントのスキルを持った社員が増えることは、会社の業績アップにも繋がります。
そのため、会社の成長に向けて社員を育てたいとお考えの方は、リーダーシップやマネジメントについて理解しておくことが大切です。
本記事では、リーダーシップとマネジメントの違いについて解説します。
この記事を読むことで、2つのスキルに求められる役割や、身につけるために必要な能力についても理解できます。
<この記事の監修者>
株式会社マジカルクリエイトサービス
大手テーマパークで本物のホスピタリティを学び、実践してきた元キャストを講師として数多くのセミナーを開催。人材育成や学校教育の現場で役立つ知識や技術をお伝えして、これまで数多くの企業や教育施設のパフォーマンス向上に貢献してきた実績を持つ。
リーダーシップとマネジメントの違いは?
リーダーシップは、チームの仕事の方向性を決めて、メンバーを巻き込んでいく力のことです。
一方、マネジメントとは、組織やメンバーが確実に目標を達成できるように管理・運営を行っていく役割のことです。
この2つには共通点も多く、リーダーの立ち位置によってはリーダーシップとマネジメントの両方が求められる場合もあります。
リーダーシップは、1人の責任者だけが持つ力ではありません。
リーダーシップとは、組織の目標達成に向けて導く能力のことを指しているため、特定の社員が持っているものではなく、メンバー全員が持っている場合もあります。
例えば、とあるプロジェクトではAさんがリーダーシップを発揮する場合もあれば、別のプロジェクトではBさんがリーダーシップを発揮する場合もあります。
リーダーシップは、必ずしも1人の責任者が持つものではないことを理解しておきましょう。
リーダーシップに求められる役割
リーダーシップとは、チームの目標達成に向けてメンバーを牽引し、個々の能力を最大限に発揮させるスキルのことです。
単に指示を出すだけでなく、行動力も必要です。
その言動や行動によって、メンバーからの信頼を集め、チームを成功に導いていくスキルのことをリーダーシップといいます。
目標への方向性を決めて動く
チームが一丸となって行動するためには、全メンバーで共通のビジョンや目標を共有していることが大切です。
リーダーは、目標やビジョンをメンバーで共有して、進むべき方向性を決定する役割を持っています。
リーダーの役割を持った社員は、チームの目標やビジョンをチーム内で共有できるように働きかけていきましょう。
チーム全体の向上心アップ
リーダーシップを発揮する職員は、チーム全体の向上心にも大きな影響を与えます。
リーダーが高いモチベーションで仕事に取り組む姿勢を見せることで、メンバーもそれに呼応するように向上心が高まります。
リーダーシップが良く発揮されているチームでは、メンバーの一人ひとりが向上心を持ち、それぞれ主体的に考えて行動できるようになるでしょう。
マネジメントに求められる役割
マネジメントとは、チームが目標を達成できるようにチームの運営・管理を行うスキルのことです。
マネジメントを行う職員は、リーダーが示したビジョンを日々の業務に結びつけ、目標を達成できるように管理していきます。
タスクや人員配置の調整
マネージャーには、目標達成に向けてタスクや人員配置を調整する役割が求められます。
そのためには、業務の進行状況を確認しておくことや、メンバーのモチベーションについて気がけておくことが大切です。
また、メンバーの得意分野や苦手分野まで把握して、それぞれに適した役割を持たせることもマネージャーの重要な役割です。
人を育てる
マネジメントを担当する職員は、人材育成についても考えておく必要があります。
職場全体と職員個人の特徴を把握して、組織に必要な人材を育てることが大切です。
適切なマネジメントを行えれば、メンバー一人ひとりの成長が促され、さらにチームを成長させることができるでしょう。
リーダーシップに必要な能力
リーダーシップを発揮するためには、判断力や伝える力、視野の広さが求められます。
ここでは、リーダーシップを発揮するために求められる能力について詳しく解説します。
判断力
リーダーとして仕事をしていれば、チームの方向性について選択を迫られます。
メンバーで話し合って決めることも大切ですが、やはり最後に決断するのはチームのリーダーです。
もし、判断力のないリーダーであれば、チームは方向性を見失い、目標を達成できないでしょう。
チームのリーダーには、メンバーの意見をまとめて決断できる能力が求められます。
伝える力
リーダーシップを発揮するためには、メンバーとの信頼関係が重要です。
信頼関係を築くためには、リーダーとのコミュニケーションが取れていなければいけません。
リーダーが自分の思いを正しく相手に伝える力を持っていることで、リーダーへの信頼感が高まります。
例えば、自分がどう考えているのか、チームをどう導きたいのか、などの言葉をうまく伝えられるだけでも、メンバーは安心してリーダーについて行けるでしょう。
リーダーには、相手の目線に立って、わかりやすい言葉で伝える能力が必要です。
視野の広さ
リーダーシップを発揮するには、視野を広く持つことも大切です。
リーダーは、チームを目標地点まで導く必要があります。
そのため、全体の流れを見て「今チームとして何をすべきか」という判断ができなければいけません。
細かい問題に対処することも大切ですが、常に広い視野を持って方向性を考えることも大切です。
マネジメントに必要な能力
マネジメントをスムーズに進めるためには、組織のルール作りや人事評価、人材育成などが重要です。
ここでは、マネジメントに必要な能力について詳しく解説します。
計画を管理する力
目標達成に向けて仕事を進めるためには、計画に沿ったタスク管理を行う必要があります。
例えば、目標達成までの進捗などに関する情報がなければ、チームが目標に向かってどれだけ進んでいるのかわかりません。
マネジメントを担当する社員には、計画の進捗状況を確認しつつ、メンバーのタスクを管理していく能力が求められます。
人を見る力
マネージャーの重要な仕事のひとつが、人事評価です。
マネージャーは、メンバーの能力を正しく評価・分析して、成長を後押しする役割もあります。
また、メンバーの能力を正しく評価することで、タスクごとに適切なメンバーを配置することも可能です。
目標達成に向けて人を動かす立場にあるマネージャーには、チームの成長とタスク管理の両面から人を見る能力が求められます。
人を育てる力
チームの目標を達成するためには、新しいメンバーを育てることも重要です。
そのため、マネージャーには、若手を育成する仕組み作りも求められます。
人数の少ない組織であれば、マネージャーが直接教育することもできるでしょう。
しかし、そうでない場合は、先輩職員が後輩を指導する仕組みから作る必要があります。
新しく入ってきたメンバーを育てるためにも、マネージャー自身が人を育てる力について理解していることが大切です。
人材育成についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
▶︎企業の人材育成で理解すべき3つの目的とは?具体的な育成法も紹介
リーダーシップとマネジメントを持った職員を育てて組織を成長させましょう
リーダーシップとマネジメントは、組織が成長するために必要なスキルです。
しかし、多くの企業では、リーダーシップやマネジメントについて体系的に教わる機会が少なかったのではないでしょうか。
リーダーシップやマネジメントについて、正しい知識とスキルを身につけた職員が増えれば、会社も大きく成長できます。
もし、責任感のある職員を増やしたいとお考えであれば、社内研修でリーダーシップやマネジメントについて学ぶ機会を取り入れることをおすすめします。
弊社は、大手テーマパークで長年勤務しながら、ホスピタリティや組織論について学んできた講師による研修を提供しています。
過去には、リーダーシップやマネジメントに関するお話をさせていただく機会も数多くご依頼いただきました。
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